しばらく呉壽は考えていたようだったが、遂に脱力した声で言った。
「わかったよ…。」
多々良ははあっと息をついた。
よかった…。
「早い方がいい。
早速、都楼に掛け合ってみてくれるかな?」
「もう、OKが出た。」
「え?」
まさか…。
「見張り役として、呉壽を同伴させる。
生きてる仲間は一人残らず連れて帰ってこい。
逃げたり失敗したら殺す。」
抑揚のない声がまた怖い。
「…相変わらず、キミって怖いよね。」
「架妥だけは死んでも連れて帰ってこい。」
都楼は多々良の声が聞こえないかのように、言いたいことだけ言って姿を消した。
「…やっぱり、都楼は僕が憎いんだね。」
「当たり前だ。
妹同然の架妥がいなくなったんだからな。
憎くて仕方ない王族の人間がいるんだ、殺してたっておかしくないんだ。
生かされてんのを感謝しろ。」
「随分な言われようだね、まったく。
僕だって今まで君達側の人間だったっていうのに。」
呉壽は無言で手を伸ばした。
多々良は力を込めて、穴から這い上がる。
広場へ入ると、そこにはもう荷物が準備してあった。
「わぁ、準備いいね。」
「一刻を争うんだ、架妥のためならこんなの造作もねぇさ。」
「わかったよ…。」
多々良ははあっと息をついた。
よかった…。
「早い方がいい。
早速、都楼に掛け合ってみてくれるかな?」
「もう、OKが出た。」
「え?」
まさか…。
「見張り役として、呉壽を同伴させる。
生きてる仲間は一人残らず連れて帰ってこい。
逃げたり失敗したら殺す。」
抑揚のない声がまた怖い。
「…相変わらず、キミって怖いよね。」
「架妥だけは死んでも連れて帰ってこい。」
都楼は多々良の声が聞こえないかのように、言いたいことだけ言って姿を消した。
「…やっぱり、都楼は僕が憎いんだね。」
「当たり前だ。
妹同然の架妥がいなくなったんだからな。
憎くて仕方ない王族の人間がいるんだ、殺してたっておかしくないんだ。
生かされてんのを感謝しろ。」
「随分な言われようだね、まったく。
僕だって今まで君達側の人間だったっていうのに。」
呉壽は無言で手を伸ばした。
多々良は力を込めて、穴から這い上がる。
広場へ入ると、そこにはもう荷物が準備してあった。
「わぁ、準備いいね。」
「一刻を争うんだ、架妥のためならこんなの造作もねぇさ。」


