架妥は二つ返事を返すと、すぐさま指示された場所に向かった。



そこは多くの兵がぶつかり合っている場所で、敵味方が入り乱れて大変なことになっている。



怯むことなく、架妥はその中に飛び込む。



殺させない。



あたしの仲間は、殺させない。



生かせてみせる。



腐った政府なんかに、生活をめちゃくちゃにされてたまるか!



雄叫びを上げながら、架妥は人の団子に突っ込む。



それに鼓舞された颪の男たちも、拳を振り上げて続いた。



時間の感覚はない。



一分にも、一時間にも感じられた。



やがて敵が後退し始める。



架妥はにやりと笑って、最後の力を振り絞って武器をふるった。



またどれくらいか時間が流れて、屍の中に立っているのは味方だけになった。



荒い呼吸を繰り返しながら、架妥はあたりを見渡す。



この、惨状。



お偉方に見せてやりたい。



あたしたちは、必死でもがきながら生きている。



これが、報われる日がくるんだろうか。



くだらない戦争を続ける国に振り回される日々に、終わりは来るんだろうか。