もー…



僕、本当にこんなところにいていいのかな。



でもまぁ、他に行くところもないし。



殺しが発生しそうになったら止めればいいかぁ。



感覚が麻痺してきた多々良は能天気にそんなことを考えた。



「明日は、どうする?」


「どうするって?」



自分を見上げてきた架妥の顔は楽しそうだった。



「川へでも行くか?
釣りを教えてやる。」


「釣り、かぁ。
数えるほどしかしたことないなぁ。」


「損な人生を送ってきたんだな。」



そこまで言うか?



どうやら架妥はよっぽど釣りが好きらしい。



いつもより機嫌がいいことからそれが窺える。



釣り、そんなに好きじゃないけどまぁいっか。



…君のそんな笑顔が見れるなら、何時間も待ち続けることなんて苦痛じゃないな。