恋敵。
「樹衣っ」
「あ、千夏☆おはよ」
「おはよっ。最近、誠也とはどう?」
「も~ラブラブです☆」
「そっかぁ…あ、真由!!じゃあ、あたし行くね」
「うん、またねっ」
千夏が誠也の話を持ち出してくるのは、久々だった。
千夏は誠也を嫌っている、誠也も千夏を嫌っている。
だからあたしは、安心していた。
勝手に。
「あ、樹衣っ。」
「千夏☆どしたの?」
「誠也とさ…仲良くやってる?」
「だーかーらぁ、ラブラブだよっ☆」
「そっかぁ、そーだよねっ」
「うん…?」
千夏は最近、彼氏と別れた。
精神的に無理とか言ってたっけ。
「誠也に元気にしてるって言っといて?」
「了解☆」
あたしは千夏が誠也をどう思っているのか知らない。