その日の朝は遅刻もしないで美羽は教室にいた。
もちろん紫苑もいたし、大地もいた。
特に確認したわけではないが、天竜の幹部はみんないると思っていた。
そこに勢い良く入ってきたのは知らないかわいい男の子。
「……っ、紫苑さん!大変ですっ!上総さんがっ!」
激しい息切れをしていて、最後まで言えなかったが、明らかに状態はよくなかった。
さすがの紫苑も顔色がかわった。
険しい方向に。
「落ち着け。ゆっくり話せ。上総がどうした?」
上総といえば自己紹介で俺はとか、僕はとか何も言わなかった男の子だ。
そしてはじめて気が付いた。
上総がいないことに。


