「……っあ、わりぃ」
そいつは俺を見るなり謝った。
――いいやつだ!
「いや、俺も悪い」
紫苑も千春にならって謝った。
「お前が千春ってやつ?」
まだこいつが千春という人だという確信はない。
「そうだけど?」
ハイ確定。
普通にいいやつだ!
紫苑はこいつを見て、友達になりたいと思った。
ならば会話を続けなければ。
……………。
そして考えついた言葉を口にした。
「女装王子って呼ばれてんだってな」
言った瞬間、千春の眉間に皺が寄る。
やべぇ。まずった?
千春はニコリと笑うと紫苑の手をつかんで引っ張って歩きだしてしまった。


