なぜそのときあきらかにめんどくさい選択肢をとったのかは今でも全く分からない。
まぁ、後悔はしてないけど。
「金、貸してくんね?ちゃんと返すからさぁ」
――返してくれるわけないだろ
紫苑はそう思いながらも、助けようともせず、ただ見ていた。
――たかられてやんの
馬鹿にしたように、ギリギリになったら助けよう……それ位の気持ちだった。
それにはちゃんと理由もある。
たかられていたのが眼鏡を掛け、小脇にノートパソコンをかかえた頭の良さそうな少年だったからだ。
紫苑とたいしてかわらないけど。
そんな気持ちはすぐにどこかに消え去っていった。
「寝言は寝ていえ」
わぁお。


