「よし、完成!」


出来たケーキを冷蔵庫にしまう。


「おいしいって言ってくれると、嬉しいな」


それから龍矢といつもより豪華な夕ご飯を食べ、ケーキの時間。


「龍矢、誕生日おめでとう」


「ああ。ありがとう」


龍矢が優しく微笑む。


ケーキを切り分け、カップに紅茶を注ぐ。


「はい」


「食べさせて」


ケーキの入ったお皿を差し出すと、龍矢にそう言われた。


「恥ずかしいよ」


「今日は俺の誕生日。何しても許される日だろ?」


「それはちょっと違うような・・・」


でも誕生日って言われると、龍矢のお願い聞かなきゃいけないよね。