「顔真っ赤」


「龍矢のバカ」


不意におでこにキスをされる。


「楽しみにしてる」


「うん」


もう一度私の唇を奪うと、龍矢はキッチンを出て行く。


「ああ。美和」


「ん?」


龍矢がドアから半分だけ体を出して、こっちを見る。


「ケーキのあとは、寝かさないから」


「へっ?」


「だから、あんまり張り切って作るなよ?」


「なっ・・・」


龍矢がフッと鼻で笑う。


私が言葉を失っていると、ドアがパタンと閉じた。