視界の底。
細く、足元に伸びる光。
オレンジ色の糸。
夜闇が包んでいたはずの世界に、突然紛れた光。状況が掴めずに有斗を見る。
有斗も驚き混じりにあたしを見ていた。
有斗、
「ちゆき、オレンジ色になってる」
───オレンジ色になってる。
玄関とは逆の、西側の窓から差し込む光。
西空の端に夕日が残っていて、それを覆っていた雲が晴れた……それだけのこと、なんだけど。
それでも、
空に残った橙を集めて窓から校舎の中に投げ込んだような景色が、
あたしにとっては
すごく不思議な
すごく綺麗な出来事で。
だんだんとオレンジの斜陽が狭まっていく。
淡い紫が、光に重なっていく。



