ある17歳における不明瞭な愛についての考察




「ごめん、」



──遅くなって、ごめん。


覚悟はとっくに出来てたのに、言い訳ばっかでごめん。



「なんでそんなこと、ゆーのさっ…!」


千往の眼から涙が溢れた。


ぽろりぽろり、止まらない涙───そういえば、泣き顔は初めて見る。


……泣くな、千往。


「ごめんな」


お前を離したくなくてごめん。


「ごめん、とかっ…わけわかんないぃ…!!」


泣き顔もちょっとかわいい、とかこんな時に思ってごめん。






───そして、

“世界一想っている”自負だけ背中に貼りつけて、俺は千往を迎えに行く。

ブロック塀に立て掛けた自転車が俺の後ろで倒れた。無遠慮な音。




俺の世界には千往しかいない。




泣きじゃくる千往の真っ赤な指先。ほっぺた。目尻。




───俺は千往に押し付けるみたいにキスをした。