『匡人…』 微かに聞こえる凪の声 「……俺が怖いか…?」 凪の体は小さく震えていた 『……こわ…い…っでもっ…!!』 凪は俺の体に腕を回した 『…匡人がっ…いないほうが…もっと怖い…』 俺は驚いて凪の首筋から顔を上げた 凪が俺の顔を両手で包みこむ 『冷たい…』 俺の体は雨に濡れて冷えきっていた 『私が…』 親指が唇をなぞる 『暖めてあげる――…』