俺は弾かれたように走り出した 途中でレジメを持っていたことに気がついて適当な人間に渡してもらうように頼んだ 吐き気がした 平気な顔をして俺と顔を合わせていた紘一さんに 俺に知られずに事を運ぼうとしていた凪に 何より 何も気がつかなかった自分に吐き気がした 全部、嘘だったのか… バイトって言っていたのも紘一さんと会うための口実か… 俺の隣にいて…笑っていたのも… 演技だったのか…? 何もかもが霞んで見えた 俺と凪の過ごした日々はいったいなんだったのか 誰も… 答えてくれなかった―…