「元気ないじゃん?どうしたんだよ?」
神崎、心配してくれてるの?
でも、元気が無いのって、アンタのせいなんだけど………。
「だ、大丈夫!気にしなくていいから……。」
「そ、なら良かった。じゃあ放課後、視聴覚室に来い。命令だから。」
なにが命令よっ!!
少しでも神崎のことを優しいと思ったあたしがバカだった!
「返事は?」
神崎があたしのことを上から見下ろす形でたずねる。
それに回りには取り巻きがたくさんいて、あたしを羨ましい〜! という感じで見つめてくる。
早くこの状況からでたい!!
だからあたしは、
「もぉ!わかりましたって、ご主人様!!」
そう神崎に向かって叫び、教室へと走った。
「ちょっとまってよ美恩!!」
このあと、神崎の取り巻きがキャーキャー叫びだしたのは、言うまでもない。
もうヤダ!こんな生活!
幻だと思っていたことが現実だとわかった今、あたしの心はすっごく暗くなった。
