「言え」


唇を動かしたら、神崎とキスしちゃいそうな距離。


アイツの息が、あたしにかかる。



「言わなきゃ、キスしちゃおっかなぁ〜。」



意地悪く微笑む神崎。



「言えっつってんの。分かる?」


「………わ、分かってるから、顔………近い…」


キスを避けるために、超ちっちゃく口を動かした。



「言ったらどいてやるよ。」


艶っぽい瞳であたしを見つめてくる。


あたしの頬を優しく撫ではじめた。



「……イヤ…っ」


ちょっと触られただけで、あたしの体がビクンってなった。


「ご主人様の命令きけないってことは、罰が必要?」



そう言った神崎は、あたしとの距離をさらに縮めてきた。



神崎と、あと1センチの距離。



心臓がバクバクしちゃって、壊れそうだよぉ。


目の前には神崎のカッコイイ顔。

もう逃げ道はないっ!