背中から伝わる 温かい熱と全く嫌にならない 圧力に私は身を預けて このまま時が止まったら どんなにいいんだろう。 でも。 できないよ... そんなこと、 できない。 少しだけ涙が止まったのを 見計らって 私はきぃの胸をそっと押した。 乱暴に顔を拭いて、 ぐしゃぐしゃな笑顔を きぃに見せて、 きぃの手力が 弱まった隙に... 背を向けて走って玄関に 入った。 ガシャン きぃが 私の名を何回か呼んだけれど 私は またね 振り返らずに 一言言って鍵を閉めた。