私はトナカイを チラッと見てから、 去ろうとするマスターに 声をかけた。 「マスター。」 マスターが 何??と優しくほほえみながら 私達の席に戻って 私の言葉を待つ。 あまりに優しい顔をされて ちょっとおねだりするのが 後ろめたくなって、 二の句をつげられずに いると、 「あの、このトナカイ、 小夜に譲ってくれませんか?? お金なら出すので。」 きぃがそう言った。