ご主人様の魔法


「ちょっと嬉しくなったの。」

少し恥ずかしいけど、嬉しくて。

観覧車の中は狭くて、二人の距離を自然に縮ませていく。

「少し寒くなってきたね。」

太陽が沈んで薄暗くなりはじめた。

「お前、薄着すぎなんだよ。」

そう言って陸に抱きしめられた。

距離が近いから突然の事で緊張する。

あったかい……。

この温もり、

お化け屋敷の時と同じだ。

この温もりのおかげで安心する。