――呼ばれた、気がして瞼を開く。

「お嬢様っ」

「……春樹」


視界がはっきりし、その姿をはっきりと捕えた。


「よかった、気づかれましたか」

「春樹、大丈夫なの?」

「…………」


春樹は面食らったように一瞬黙ったが、


「どうか、ご自分の心配をなさってくださいっ」


春樹は呆れたように、嗜めた。