俺を起こさないように足音を立てずに俺の横から離れる。

咄嗟に高原の腕を掴む。

肩を震わせ真ん丸な瞳で俺を見つめる。

「何処行くん?」

「起きてたんか…」

「また俺の前からいなくなるん」

やっぱりや。
起きてて正解や、また俺の前からいなくなるつもりやったんや…。

「もう何処も行かへん」