ちゃう…ちゃう…。

懐かしいマロン色の髪が華奢な体がベランダから部屋に入ってくる。

「藤原…」

「…たか…はら…?」

夢?ほんまもん?
高原が、俺の目の前におる。

気付いたら、高原をきつくきつく抱き締めていた。

ほんまもんの高原や。

「高原…高原…ほんまに高原やんな」

鼻水から目から涙が、止めどなく流れる。