【短】同窓会―episode 2―



「未葵……。」


蒼ちゃんはそう言って、目を開いた。

それはまるで、見つめられてるみたいだった。


「蒼ちゃん……。」

私は、ここにいるよ。
だから…ねぇ。
泣かないで。


「…俺は、お前を忘れないから…。
……つーか、忘れられないんだ…。
どうすれば…。
どうすればいいんだよ、未葵……。」


蒼ちゃんは、毎年、こうしてあたしを想って泣いてくれる。


正直、最初は嬉しかった。

でも、なんでだろう。
最近は蒼ちゃんを、苦しめてるようで…つらい。


「楽にしてやったら?」


ずっと黙っていた瑠が、真剣な表情でそう言った。


「え…。」


「“蒼ちゃん”は、お前の死に際の言葉に、ずっと縛り付けられてんじゃねーの?」


私を忘れないで。


それが私の、蒼ちゃんへの、最後のお願いだった。


「……蒼ちゃん…。」


私、蒼ちゃんを苦しめてるだけなの?