【短】同窓会―episode 2―



「…なぁ未葵。
まだ見てるの?」


秋山瑠はふて腐れたようにボソッと呟いた。


今日は私と瑠が死んでちょうど5年たった日だった。


「いーじゃん。
暇なんだもん。」


私達がいたのは、私のお墓の前だった。

すっかり大人びた蒼ちゃんがお祈りしてるのを、ニヤニヤと見る私。


「未葵、その顔はキモいって。」


瑠に真顔でそう言われてしまった。


「き、キモくないもん!」


ね、と私を見もしない蒼ちゃんに同意を求めた。


「お前は本当に“蒼ちゃん”だよな。
そんなんだから成仏出来ないんだよ。」


「なっ…そんなこと言ったら、あんただって。」


「それはそれ。これはこれ。」


そう言ってニヤッと笑う瑠。


る…瑠のやつ…!!


瑠は口が達者だ。

なんだか蒼ちゃんと言い争ってるみたいだよ。


目の前にいる20歳の蒼ちゃんを見て、ため息を漏らす。


もう、大分住む世界が離れてくな…。

私は15歳のままで。
蒼ちゃんは20歳。

きっと、私を忘れてしまうんだな……。


そう思うと、妙に寂しくなる。