すると秋山は、急に悲しげに笑った。
「俺は…。
ちっちゃい時に親が、無理心中しちゃってさ。
養護施設に入ったけど…なんか生きてる心地がしなくて。
高校行ってたけど、悪いことばっかしてて、結局中退して…なんか…生きてる意味、分かんなくなっちゃってさ。
したら、不思議なことにある日さ、両親の声が聞こえたんだよ。
『よく頑張ったね、瑠。
もういいよ。』
って……。
で、気付いたら、これだよ。」
秋山は、そう言ってふっとまた悲しげに笑った。
それがすごく、悲しかった。
秋山、すごく、辛かったんだね。
すごく、苦しかったんだね…。
私は、秋山の背中を叩いた。
驚いて秋山がこちらを見る。
「…辛かったね。
苦しかったね。
でも…あたしが、側にいるから…。
ずっと、側にいるから…。
だから、もう、大丈夫だよ…。」
同じ、死んでしまった者どうし。
ほっとけないのは当たり前だよね。
秋山は、溢れんばかりの涙を溜めて、私にすがりついた。
啜り泣く声だけが、秋山の悲しみを伝えていた…。



