「つーか…変わってんな、お前。
俺より、普通家族と恋人だろーが。」


外に出て、二人で公園のベンチで座ったら、秋山はそう言った。


「まぁ…。
でも、蒼ちゃんも両親も、もうあたしのこと見えないし…。
でも秋山は、あたしが見れるし、話せるでしょ。」


「…なんか前向きだな。」


秋山は、ふっと少し笑った。


それが嬉しかった。


「病気って…なんだったの?」


秋山は言葉を選んでゆっくりと聞いてきた。


さっき強く言っちゃったから、気にしてるのかな…。


「癌だよ。
蒼ちゃんと付き合ってすぐ、末期癌って言われちゃってさ。
半年ぐらい頑張ったけど、駄目だった。」


「そっか……。
蒼ちゃんって、さっきの?」


「うん…。
水城蒼太(ミズキ ソウタ)。
イケメンだったでしょ?」


あたしがそう言って笑うと、つられたのか秋山まで笑った。


「…秋山は?」


私は、恐る恐る聞いた。


さっき秋山は、自ら死を選んだって、言ったから……気になったんだ。