【短】同窓会―episode 2―



「どこが似てるのよ。」


そっぽ向いて、瑠に尋ねる。
瑠は笑っていた。


「そういうところ。
気が強くて、それなのにちょっと弱いとこ。
あとは、笑った時の顔。」


そう言われて、瑠の方を見る。

「笑った顔?」


「未葵は、笑顔が一番似合う。
“蒼ちゃん”も、そう思ってただろ?」


言われてみれば、蒼ちゃんも似たようなことを言ってた。
だから生きてた時は、よく笑ってたんだっけ。


「嶋津先生は“蒼ちゃん”の前であんま笑わないからわかんないけど、でもそのうち、気付くんじゃねーかな。」


瑠は、穏やかな表情をしていた。


「…未葵。
そろそろ、“蒼ちゃん”を、楽にしてやれよ。」


……10年前は
不可能だと思っていたことを、瑠は言った。

やっとその時が、来たんだね。

「瑠………私、もう決めたよ。」


真直ぐ瑠を見て、言った。

瑠はゆっくりと頷いた。


蒼ちゃんのポケットから、同窓会の案内状が、少しだけ見えていた。