「はぁ…。」
「はぁ…。」
最悪の女、嶋津先生とため息がカブった。
最悪。
キッと嶋津先生を睨む。
「……嶋津先生?」
その声に、パッと顔を上げる嶋津先生。
その声は、聞き慣れた蒼ちゃんのもの。
「水城先生。」
嶋津先生はそう言って少し場所を明けて、蒼ちゃんに座るように促した。
ここは新幹線の待合室だ。
多分ここで修学旅行を満喫して帰ってくる生徒を待っているんだろう。
「…ちょっと俺疲れたんで、寝てもいいですか?」
蒼ちゃんが遠慮がちに言うと、嶋津先生はこっくりと頷くだけだった。
なんか、嶋津先生の様子が変だ。
蒼ちゃんは呑気にスースー寝息を立てて寝ている。
そんな蒼ちゃんを見て、またため息をつく嶋津先生。
「とうとう嶋津も惚れたか?」
そう言って瑠は笑った。
そんな瑠を睨む。
「俺からすれば、そっくりなんだけどな。
お前と、嶋津先生。」
瑠は、私を嶋津先生の隣りに立たせて、言った。
嶋津先生と似てる…?



