会場からは盛大な拍手が送られ、リオナスとセヴィル将軍は、会場に居る人々に深く頭を下げ、歓声に応える。
そして二人は少しの間見つめ合うと、共に歩みより固い握手を交わす。
「大変良き剣技でした。流石はエストール王国を代表する御方ですリオナス殿」
「こちらこそ大変良い勉強になりましたセヴィル殿。私もまだまだ鍛練が足りないと改めて感じさせて頂いた」
互いに満足の出来る試合ではなかったものの、互いの実力を認め合う。まだ手が痺れているのであろう二人は、荒い呼吸は収まっているものの、手に力が入らない感覚を覚えていた。
試合が終わりを見せ、安堵の表情を浮かべるシャロンと、厳しい表情を崩さないヒューゴ。その様子を見たギルバートが、まずはシャロンに話しかける。
「リオナス殿が大きな怪我をせんで良かったのぉシャロン」
「はい…本当に良かったです」
心底そう感じているのであろうシャロンは、再度胸の前で手を組み、祈りの言葉を呟きながら目を瞑る。
「ヒューゴ殿はどうやら血が騒いでいる様子だな。リオナス殿の試合をどう見ておる?」
「そうですね…この試合の僕の採点ではリオナスの負けです。セヴィル将軍の方が一枚上手でしょう」
ヒューゴの言葉を受けたギルバートは目を細めながらヒューゴを見つめる。
「ヒューゴ殿はお厳しいな。リオナス殿も良い武を見せておったと思うが」
「成長は認めますが、まだまだ不安定です。間合いの取り方もそうですか、腕力に頼る剣技では拮抗した場面になると隙が生まれやすい。もう少し実践を積む必要があるでしょう」
リオナスは成長している。でもまだまだだ…。
多分リオナス自身がそれを痛感している筈だ。
「なるほどのぉ…ときにヒューゴ殿。全盛期のお主ならセヴィル将軍に勝てるか?」
ギルバートの言葉に、ムーアの絵を眺めていたアスラもヒューゴの方に視線を送る。シャロンもまた祈りの言葉を止め、ヒューゴを見つめる。
少しの間考えたヒューゴは、重い口調で口を開く。
「やってみないと分りませんが…負ける気はしないですね」
そして二人は少しの間見つめ合うと、共に歩みより固い握手を交わす。
「大変良き剣技でした。流石はエストール王国を代表する御方ですリオナス殿」
「こちらこそ大変良い勉強になりましたセヴィル殿。私もまだまだ鍛練が足りないと改めて感じさせて頂いた」
互いに満足の出来る試合ではなかったものの、互いの実力を認め合う。まだ手が痺れているのであろう二人は、荒い呼吸は収まっているものの、手に力が入らない感覚を覚えていた。
試合が終わりを見せ、安堵の表情を浮かべるシャロンと、厳しい表情を崩さないヒューゴ。その様子を見たギルバートが、まずはシャロンに話しかける。
「リオナス殿が大きな怪我をせんで良かったのぉシャロン」
「はい…本当に良かったです」
心底そう感じているのであろうシャロンは、再度胸の前で手を組み、祈りの言葉を呟きながら目を瞑る。
「ヒューゴ殿はどうやら血が騒いでいる様子だな。リオナス殿の試合をどう見ておる?」
「そうですね…この試合の僕の採点ではリオナスの負けです。セヴィル将軍の方が一枚上手でしょう」
ヒューゴの言葉を受けたギルバートは目を細めながらヒューゴを見つめる。
「ヒューゴ殿はお厳しいな。リオナス殿も良い武を見せておったと思うが」
「成長は認めますが、まだまだ不安定です。間合いの取り方もそうですか、腕力に頼る剣技では拮抗した場面になると隙が生まれやすい。もう少し実践を積む必要があるでしょう」
リオナスは成長している。でもまだまだだ…。
多分リオナス自身がそれを痛感している筈だ。
「なるほどのぉ…ときにヒューゴ殿。全盛期のお主ならセヴィル将軍に勝てるか?」
ギルバートの言葉に、ムーアの絵を眺めていたアスラもヒューゴの方に視線を送る。シャロンもまた祈りの言葉を止め、ヒューゴを見つめる。
少しの間考えたヒューゴは、重い口調で口を開く。
「やってみないと分りませんが…負ける気はしないですね」


