シャロンはそんなイクセンで生まれ、イクセンで育っていた。
イクセンの両親は文官で、イクセンの中では貴族の部類に入る家柄の娘だった。シャロンは幼き頃から礼儀作法を両親から学び、読み書きはもちろん歴史書や医学書などを寝る間も惜しむ様に両親に叩き込まれていた。
イクセンでは王族に気に入られないと、すぐに最下層までたたき落とされる事になる。文官の家柄であるシャロンの両親は、国の為になるものをシャロンに教え込まないといけなかった。
文官として生きるのなら、知識と見識を持っていないと国王にすぐに切り捨てられる。切り捨てられた者の辿る道は、飢えやボロを身に纏う様な暮らしだけ。
だから必死にシャロンは勉強を叩き込まれた。毎日の様に朝から晩まで何年も…
シャロンが5歳の頃だ。ついにエストール王国とイクセンの間に大きな戦が起きた。
エストール国王であるランディスの勅命が下ったのだ。
--貧困に喘ぐ我が領地に住まう国民を悪政から助けよ。出来るだけ多くの国民を保護し、悪の権化であるイクセンの国王をひっ捕らえよ。
イクセンの国民二万ほどに対し、ランディス・エストール国王がイクセンに差し向けた兵力は三万だ。どう頑張ってもイクセンに勝ち目などない。
出来れば無血開城と行きたかった。当時軍を率いていたギルバートはその様に考え、イクセンを完全包囲し、兵糧攻めの作戦をとっていた。
だがその願いは天に届いてはいなかったようだ。武器を携えた兵士が、ギルバート率いる王国軍に攻め込んできた。
仕方ないと考えたギルバートは進軍させ、真っ向からイクセンの兵士とぶつかり合った。イクセンの兵士は鍛え方が甘いのか、全然手応えがないと感じながらもギルバートや当時ギルバートの補佐をしていたディオスなどは、どんどん切り捨てて行った。
「あまりにも手応えがなさ過ぎる…この程度の兵士の質で本当に我が国と対抗しようとしていたのか?」
ギルバートは少し前線から下がると、周りの様子を観察し、状況を確認する。
「ギルバート殿。定時報告です」
思案しているギルバートの下に、ディオスが駆け寄る。
イクセンの両親は文官で、イクセンの中では貴族の部類に入る家柄の娘だった。シャロンは幼き頃から礼儀作法を両親から学び、読み書きはもちろん歴史書や医学書などを寝る間も惜しむ様に両親に叩き込まれていた。
イクセンでは王族に気に入られないと、すぐに最下層までたたき落とされる事になる。文官の家柄であるシャロンの両親は、国の為になるものをシャロンに教え込まないといけなかった。
文官として生きるのなら、知識と見識を持っていないと国王にすぐに切り捨てられる。切り捨てられた者の辿る道は、飢えやボロを身に纏う様な暮らしだけ。
だから必死にシャロンは勉強を叩き込まれた。毎日の様に朝から晩まで何年も…
シャロンが5歳の頃だ。ついにエストール王国とイクセンの間に大きな戦が起きた。
エストール国王であるランディスの勅命が下ったのだ。
--貧困に喘ぐ我が領地に住まう国民を悪政から助けよ。出来るだけ多くの国民を保護し、悪の権化であるイクセンの国王をひっ捕らえよ。
イクセンの国民二万ほどに対し、ランディス・エストール国王がイクセンに差し向けた兵力は三万だ。どう頑張ってもイクセンに勝ち目などない。
出来れば無血開城と行きたかった。当時軍を率いていたギルバートはその様に考え、イクセンを完全包囲し、兵糧攻めの作戦をとっていた。
だがその願いは天に届いてはいなかったようだ。武器を携えた兵士が、ギルバート率いる王国軍に攻め込んできた。
仕方ないと考えたギルバートは進軍させ、真っ向からイクセンの兵士とぶつかり合った。イクセンの兵士は鍛え方が甘いのか、全然手応えがないと感じながらもギルバートや当時ギルバートの補佐をしていたディオスなどは、どんどん切り捨てて行った。
「あまりにも手応えがなさ過ぎる…この程度の兵士の質で本当に我が国と対抗しようとしていたのか?」
ギルバートは少し前線から下がると、周りの様子を観察し、状況を確認する。
「ギルバート殿。定時報告です」
思案しているギルバートの下に、ディオスが駆け寄る。


