自分の変な挙動の為に上官が謝り、貴族の当主にも心配をかけている。
自分の短慮が招いた事態だと考えたシズネは、もはや気絶寸前まで追い込まれていた。
「シズネ…顔をあげなさい。ヒューゴ様はそれをお望みです」
レオナの言葉が耳に入ったのかシズネは、少し涙目になりながらヒューゴに視線を送る。やっと視線があったヒューゴはにっこりと出来るだけ好感が持てる笑顔で話す。
「シズネさん。どうかご自分にもう少し自信をお持ちなさい。貴方は何も恥ずべき事をしてはいないのだから」
「いえっ…そんな事は」
「ないのですよ。誰でも初めは初心者です。失敗を恥じる事はありません。自分は未熟だという意識だけ心の中に持っていれば、自ずと作法は向上していきます」
「は……い…」
シズネは不思議と、ヒューゴの言葉がすっと入ってくるように冷静に聞き入っている自分を感じていた。
実はシズネは、名家の武家であるヒューゴの事を会う前から少し怖がっていた。リオナスの事を何度か見た事もあり、厳格な人が当主をしていると勝手に想像していたのだ。
絶対に粗相があってはいけないと感じていた。
だが実際に会ってみると、自分の想像していた人柄とは全てが違っていた。知らなければ文官と勘違いしてしまうほど優しい目をしている人だったのだからそれはそれで動揺してしまった。
茫然と二人は見つめ合う状況になり、今度はヒューゴが苦笑を浮かべる。リオナは小さく咳ばらいをするとハッとした様子でシズネがその場に立ち上がる。
「それではセレスティア様の下に急ぎましょう。首を長くしてお待ちでしょうし」
「…すみません」
ヒューゴの片手剣を両手で抱えるように持つシズネは、小さく謝罪の言葉を述べた。
自分の短慮が招いた事態だと考えたシズネは、もはや気絶寸前まで追い込まれていた。
「シズネ…顔をあげなさい。ヒューゴ様はそれをお望みです」
レオナの言葉が耳に入ったのかシズネは、少し涙目になりながらヒューゴに視線を送る。やっと視線があったヒューゴはにっこりと出来るだけ好感が持てる笑顔で話す。
「シズネさん。どうかご自分にもう少し自信をお持ちなさい。貴方は何も恥ずべき事をしてはいないのだから」
「いえっ…そんな事は」
「ないのですよ。誰でも初めは初心者です。失敗を恥じる事はありません。自分は未熟だという意識だけ心の中に持っていれば、自ずと作法は向上していきます」
「は……い…」
シズネは不思議と、ヒューゴの言葉がすっと入ってくるように冷静に聞き入っている自分を感じていた。
実はシズネは、名家の武家であるヒューゴの事を会う前から少し怖がっていた。リオナスの事を何度か見た事もあり、厳格な人が当主をしていると勝手に想像していたのだ。
絶対に粗相があってはいけないと感じていた。
だが実際に会ってみると、自分の想像していた人柄とは全てが違っていた。知らなければ文官と勘違いしてしまうほど優しい目をしている人だったのだからそれはそれで動揺してしまった。
茫然と二人は見つめ合う状況になり、今度はヒューゴが苦笑を浮かべる。リオナは小さく咳ばらいをするとハッとした様子でシズネがその場に立ち上がる。
「それではセレスティア様の下に急ぎましょう。首を長くしてお待ちでしょうし」
「…すみません」
ヒューゴの片手剣を両手で抱えるように持つシズネは、小さく謝罪の言葉を述べた。


