そういう感覚に鈍感な人間はその気配に気づかない。何となくレスターの方に視線を向け、首を傾げる程度の出来事だった。
「私は本物の神になりたい。そしてこのリヴァナリスの世界を見守る立場に…」
「それが君の意思なら尊重したいと思う。でも意地でそう言っているようなら辞めた方が良いよ…俺もレスターも人の御霊を導く事など出来ないのだからね」
「…ご覧になられていましたか」
「たまたまね。俺達が導けるのは生霊だけであって、死人を導く事は出来ない。まぁレスターがやりたかった事は理解しているつもりだけどね」
レスターは神になりたがっている。そしてこのリヴァナリスの世界における神の役割は救済と導きだ。
崇拝する事で人々を導き、助けてくれる存在。そんな都合の良い存在こそが神である。この世界に生きた経験のあるレスターは、そう考えていた。
「本来この世界での神族の役割は調和だ。魔族と神族の調和であり、この世界に降りかかる様々な干渉を排除する事…俺等は数えきれないほどの時の間、それを維持するために存在し続けているんだ。悠久ともいえる時を生きながらえているのもその為。でなければこの終わりのない時を存在し続けるのは苦以外の何物でもない」
だがロランはそんな都合の良い話など存在しない事を知っている。創生に携わり、この世界を見続けてきたからこそ真実を知っている。
「神に出来る事など限られている。むしろこの世界で生きる者の方が出来る事は多い…それを理解した方が良いよレスター。俺達だって万能じゃないんだ。だからこそ俺やクライブはこの世界に興味を持っている」
「あのお方は謎の多いお人だと聞きます。感情を殺し、ただひたすら知識を詰め込む事を続けた上級神クライブ様」
「動く図書館だからね。クライブだからこそ出来る芸当だったんだけど…まぁだからこそ自分が創生したリヴァナリスに興味を持ってしまったんだけど」
ねぇクライブ…。
俺は出来るだけ君の考えに沿う様に行動しようと思う。
「私は本物の神になりたい。そしてこのリヴァナリスの世界を見守る立場に…」
「それが君の意思なら尊重したいと思う。でも意地でそう言っているようなら辞めた方が良いよ…俺もレスターも人の御霊を導く事など出来ないのだからね」
「…ご覧になられていましたか」
「たまたまね。俺達が導けるのは生霊だけであって、死人を導く事は出来ない。まぁレスターがやりたかった事は理解しているつもりだけどね」
レスターは神になりたがっている。そしてこのリヴァナリスの世界における神の役割は救済と導きだ。
崇拝する事で人々を導き、助けてくれる存在。そんな都合の良い存在こそが神である。この世界に生きた経験のあるレスターは、そう考えていた。
「本来この世界での神族の役割は調和だ。魔族と神族の調和であり、この世界に降りかかる様々な干渉を排除する事…俺等は数えきれないほどの時の間、それを維持するために存在し続けているんだ。悠久ともいえる時を生きながらえているのもその為。でなければこの終わりのない時を存在し続けるのは苦以外の何物でもない」
だがロランはそんな都合の良い話など存在しない事を知っている。創生に携わり、この世界を見続けてきたからこそ真実を知っている。
「神に出来る事など限られている。むしろこの世界で生きる者の方が出来る事は多い…それを理解した方が良いよレスター。俺達だって万能じゃないんだ。だからこそ俺やクライブはこの世界に興味を持っている」
「あのお方は謎の多いお人だと聞きます。感情を殺し、ただひたすら知識を詰め込む事を続けた上級神クライブ様」
「動く図書館だからね。クライブだからこそ出来る芸当だったんだけど…まぁだからこそ自分が創生したリヴァナリスに興味を持ってしまったんだけど」
ねぇクライブ…。
俺は出来るだけ君の考えに沿う様に行動しようと思う。


