笑顔を崩さず緊張感を感じさせない雰囲気を醸し出すアスラを見てシャロンは、一人表情を変えずとも、何も返事を返さなくなる。
そんな様子を見たアスラは、次に部隊長の方に視線を送り話しかける。すでに短剣は自分の肩に置き、相も変わらず笑顔である。
「それに同僚が不必要な事でキズ物になるのも俺としては心苦しい訳だよ。無抵抗の女性を斬るというのは想像以上の苦痛になる…隊長さんみたいな実直な騎士ならなおさらなぁ」
「アスラ…お前」
この部隊長とアスラは同等の立場の王族騎士であり、地位も対して変わらない。当然人となりを理解しているので、こういった事には心を痛める種類の男だと知っていた。
両方の事を考えると説得するのが得策。アスラは意外と頭の切れる男だった。
部隊長とシャロン共に口を開かずに黙りこむ状況になり、この場では一番無関係であるアスラが場を仕切り出した。
「双方納得したと考えて俺が代行で指示を出させてもらう。屋敷内にある物品は全て、捕縛中にあるヒューゴ・シャオシール殿の所有物だ。なので屋敷外に持ち出す事は禁止。あくまで今回起きた事件との関連性の物を探す為の調査であり、この屋敷がエストール王国の貴族シャオシール家だという事を忘れるな…異論がある者は先に言え」
アスラの言葉に異論を唱える者は誰もいなく、皆一様に返事の代わりに頷いて見せた。
「よしっ。後は隊長さんにこの場を任せる事にしようかねぇ…それとシャロンちゃん。ちょっと来てもらえるかな?二人でゆっくりとお話でもしましょうや」
アスラはそう言うとシャロンの腕を掴み、屋敷の奥の方に歩を進めていく。シャロンは対して抵抗する事もなくアスラにされるがまま歩いて行った。
話の内容に心当たりがあるからだ。
二人は見晴らしの良い中庭まで移動すると、周りに誰もいない事をを確認した後にアスラから口火を切った。
「色々と話したい事はあるんだが……まず最初に言いたいのは、あの態度は褒められたものではないという事だな。自分の命を軽んじすぎだよ」
そんな様子を見たアスラは、次に部隊長の方に視線を送り話しかける。すでに短剣は自分の肩に置き、相も変わらず笑顔である。
「それに同僚が不必要な事でキズ物になるのも俺としては心苦しい訳だよ。無抵抗の女性を斬るというのは想像以上の苦痛になる…隊長さんみたいな実直な騎士ならなおさらなぁ」
「アスラ…お前」
この部隊長とアスラは同等の立場の王族騎士であり、地位も対して変わらない。当然人となりを理解しているので、こういった事には心を痛める種類の男だと知っていた。
両方の事を考えると説得するのが得策。アスラは意外と頭の切れる男だった。
部隊長とシャロン共に口を開かずに黙りこむ状況になり、この場では一番無関係であるアスラが場を仕切り出した。
「双方納得したと考えて俺が代行で指示を出させてもらう。屋敷内にある物品は全て、捕縛中にあるヒューゴ・シャオシール殿の所有物だ。なので屋敷外に持ち出す事は禁止。あくまで今回起きた事件との関連性の物を探す為の調査であり、この屋敷がエストール王国の貴族シャオシール家だという事を忘れるな…異論がある者は先に言え」
アスラの言葉に異論を唱える者は誰もいなく、皆一様に返事の代わりに頷いて見せた。
「よしっ。後は隊長さんにこの場を任せる事にしようかねぇ…それとシャロンちゃん。ちょっと来てもらえるかな?二人でゆっくりとお話でもしましょうや」
アスラはそう言うとシャロンの腕を掴み、屋敷の奥の方に歩を進めていく。シャロンは対して抵抗する事もなくアスラにされるがまま歩いて行った。
話の内容に心当たりがあるからだ。
二人は見晴らしの良い中庭まで移動すると、周りに誰もいない事をを確認した後にアスラから口火を切った。
「色々と話したい事はあるんだが……まず最初に言いたいのは、あの態度は褒められたものではないという事だな。自分の命を軽んじすぎだよ」


