状況が呑み込めていないロイスは、先ほどまでヒューゴが居た場所と、自分の足もとまで吹っ飛んできたデルモアの姿を交互に見ながらそう話す。
デルモアはそんなロイスの事など気にも留めずに書斎の方に移動し、その現状を見て何とも悔しそうに舌打ちを打った。
「ちっ…まさかこの男が結界方陣を使えるとは。しかもこれはっ」
暖炉の入口には淡い緑色の光を放つ模様が刻まれており、その傍ではヒューゴが床に倒れこんでいる。
「五行封陣だと!?」
「…この術はそんなに凄いのか?簡単に破れそうな気がするんだが」
デルモアに遅れて書斎に入ってきたロイスは、暖炉の前に張られている結界を見てそう話す。
「この結界を破るのは『不可能』だ。自然に消えるまで絶対に破れない結界の種類だからな…全ての衝撃を弾き返す絶対防壁だ」
デルモアは床に倒れているヒューゴの傍に近寄ると、しゃがみ込みその姿を凝視する。
「本当にこの男は何者なのだ。神族でもこの術を使える者はかなり限られているはずだ。それに詠唱を伴わずに完成させるとは……嫌な予感がするな」
「嫌な予感か…だが作戦はもう変えられないぞ。ヒューゴ・シャオシールには役割がある。そうでないとこの先の展開が成立しない」
「分かっている。だが……考えすぎか。そんな訳がない…そんな偶然はあり得ん」
「…何がだ?」
デルモアは現状考えられる最悪の予想をしたが、不敵に笑ったのちにその考えを消去した。そんな偶然はあり得ないと…。
「気にするな…それよりもそろそろ術を解いて、作戦を実行するぞ。こうなってはセレスティアとリオナスを探し出すのは困難だ。手順を踏んで、正式に捜索をかけるのが得策だ」
デルモアはそんなロイスの事など気にも留めずに書斎の方に移動し、その現状を見て何とも悔しそうに舌打ちを打った。
「ちっ…まさかこの男が結界方陣を使えるとは。しかもこれはっ」
暖炉の入口には淡い緑色の光を放つ模様が刻まれており、その傍ではヒューゴが床に倒れこんでいる。
「五行封陣だと!?」
「…この術はそんなに凄いのか?簡単に破れそうな気がするんだが」
デルモアに遅れて書斎に入ってきたロイスは、暖炉の前に張られている結界を見てそう話す。
「この結界を破るのは『不可能』だ。自然に消えるまで絶対に破れない結界の種類だからな…全ての衝撃を弾き返す絶対防壁だ」
デルモアは床に倒れているヒューゴの傍に近寄ると、しゃがみ込みその姿を凝視する。
「本当にこの男は何者なのだ。神族でもこの術を使える者はかなり限られているはずだ。それに詠唱を伴わずに完成させるとは……嫌な予感がするな」
「嫌な予感か…だが作戦はもう変えられないぞ。ヒューゴ・シャオシールには役割がある。そうでないとこの先の展開が成立しない」
「分かっている。だが……考えすぎか。そんな訳がない…そんな偶然はあり得ん」
「…何がだ?」
デルモアは現状考えられる最悪の予想をしたが、不敵に笑ったのちにその考えを消去した。そんな偶然はあり得ないと…。
「気にするな…それよりもそろそろ術を解いて、作戦を実行するぞ。こうなってはセレスティアとリオナスを探し出すのは困難だ。手順を踏んで、正式に捜索をかけるのが得策だ」


