華月はそれに気づかないふりをした。





「知ってるよ。奥村さんのこと。」





華月は驚いた。


保健室登校をしている華月のことなど知らないのが当たり前だと思ったからだ。




現にクラスに友達などいないし、顔もあやふやだったからだ。



華月は不思議に思いながら聞いた。





「どうして私のこと知ってるんですか?

たぶん同じクラスじゃないですよね?」




「タメなんだし敬語はなし!」





「うん…」





華月がうなづいたのを見て響はまた微笑み、



「奥村さん有名だよ。美人でおしとやかな女の子って。


男子なら誰でも知ってるんじゃないかな~。」