華月は無意識のうちにベランダに出ていた。 保健室のベランダからは急斜面の土手が広がっており、 そこを降りると校庭だ。 桜は土手に沿って綺麗に咲いていた。 「きれい。」 あたりには誰もいる気配がなく、 とても静かだった。