たばこの匂いとあなた


華月は無意識のうちにベランダに出ていた。




保健室のベランダからは急斜面の土手が広がっており、

そこを降りると校庭だ。





桜は土手に沿って綺麗に咲いていた。





「きれい。」





あたりには誰もいる気配がなく、

とても静かだった。