大阪の街を点々としながら
デートは終盤に近づいていた。

…帰りたくないょ

…優斗ともっと一緒に居たい

「駅まで見送るな?」

「…うん」
帰りたくない。帰りたくないよ…

「優斗…」

「何?」

『帰りたくないよ』
「…ううん。何でもない」

胸が ズキ っとした。
こんなに言いたいのに何で言えないんだろう…

「優斗…足痛い、」

だから、あたしは足のせいにした。

「大丈夫か?」

本当は足何か全然痛くなかった。

「電車来るから出来るだけ急ごう?」

優斗のばか…

「足大丈夫か?」

あたしのバカ……。