「ありがとう。」
そう呟いたのが聞こえて、嬉しくなった。
大地がおもむろに口を開く。
「……すごく」
「ん?」
「すごく悲しい夢を見たんだ。」
――――……
【大地Side】
琥珀が、どんなおれも知りたい。って言ってくれた。
だから、夢の事を話そうって思った。
琥珀に話すのが一番いいと思えたから……。
あの夢の事を全て琥珀に話した。話し終えたとき琥珀は、泣いてた。
「こ、琥珀!?なっなんで泣くんだ!?」
「だってぇ、だってぇ……」
「なに……?」
「大地は、記憶なくしても、大地だなぁ、って……っく、うぅ……」
「………?」
それは…どういう意味だ?
「どういう意味?」
泣いてる琥珀に聞く。
「………たぶんきっとその夢は、大地の記憶だよ……っ…。」
泣いてるのに、微笑んでいる琥珀のその顔が、夢の中の女の子の顔を思い出させた。
もしかして、この女の子って……
「琥珀…?」
「へ……?」
「もしかして、夢の中の女の子は琥珀………?」
「…………かも、しれない。」
「琥珀とおれって昔、雪のなかで遊んだか……?」
「…う、ん。5歳の時に、ママ達と一緒に北海道に行って……」
「そうか。あの女の子が…琥珀でよかった。」



