光と闇の間。

無視して歩き信号にひっかかった時だ。


向こう岸にいる背の高い一人の男に目が止まった。






華やか夜の街では派手ではない黒髪が余計に彼を引き立てる。

あからさまにブランドがわかるものは身につけてはいないが、安っぽさは全くなくどこか近寄りがたい空気を持つ。


こんな男は見た事が無かった。


そして信号が青になり、視線をそらし歩き始める。




『あの、すみません。』