「壱十……やっぱり、彼女ができたのね?」 「彼女はいないけど‥でも、好きな娘ができた。」 大事なんだ、そう言うと清水は目を伏せた。 「ごめんな。清水」 俺は踵を返し、その場を後にした。 「酷いわ……壱十……」 その場に残された麗子は、拳をきつく握り締め、唇を噛んだ。 そしてゆっくりと、その場を離れたー‥