俺の犬はおまえのために殺されたのだぞ?

 おまえの惜しんだ、おまえの犬の代わりにだぞ? 

 命を……惜しむのは自分のためだけか? 

 罪だとは思わぬのか、みんなが飢え乾いているというのに! 

シロはな、藪で俺が見つけた、毛の白い奴だった。

 母親が俺にくれた飯を半分にしてくれてやって育てた。賢かった。

 だから、あの日は俺について回り、学校まで来たんだ。なのに授業が終わって見たら、門のところにはいなかった。

 帰って母親を責めると、平手打ちが待っていた。