すぐそばの教会から聞こえてくる賛美歌の代わりに、私の呼吸は雨戸とカーテンを閉め切った暗闇の中で静かに唱え始める。






 神様。
 

 あなたの光は届かない。
 

 あなたの声は聞こえない。
 

 いったい私はどこからきて、どこへゆけばいいの。
 

 目をつぶっていると、思いも寄らぬ問いかけがわき起こってくる。


「答えなら知ってるはずだ」
 

 私はそれを振り捨てる。そう、なにも苦しむことはない。


『死だ。それしかない』