「ママ、あたしに何か聞きたいんでしょう?」

ぎくぅっ!!

そんな効果音が聞こえてきそうなくらいママの顔は正直だった。

「何よ?ほら、正直に吐いてごらん。怒らないから。」

どっちが親だかわかんないじゃん、これじゃあ。

ママはあたしの顔を伺う様に見て
「優華さあ、デートなんでしょう?」
と切り出した。

別に隠すほどの事も無かったし、誘われたけどデートって程じゃないと、自分では思っていたから
「ちがうよ。先輩と出かけるだけだよ」
と即答してしまった。

ママはあたしの返事を聞いて、はあっと溜息を一つ付くと、
「あ、そうなの残念」
と言って部屋を出て行こうとした。

何なのよいったい…。

余りのママの変貌振りに唖然としつつも、出て行ってくれることにほっとする。

ママが残念そうに部屋のドアを開けたとき…

その後姿にふと、この間から気になっていたことを聞いてみようと思った。