現実だと確かめたくて孝宏に手を伸ばした。

首にギュッと縋りつくように抱きついて心の中で三つの選択肢を反芻する。

選択肢ってコトはこの中のひとつでよかったはずなのに…

あたしはやっぱりこのとき酔っていたみたいで、まともに考えられなかったのかも知れない。

三つを全部しなくちゃいけないといつの間にか思い込んでいたの。


まず一つ目…

「孝宏が好きよ。大好き。誰よりも愛してる。もう離れないからッ!」

あたしはそう叫ぶと思い切り孝宏を引き寄せてキスをした。

これで二つ目…

お酒の力が働いていたなんて知らなかったあたしは、このフワフワした感覚が何だかわからなかった。

だけど、その感覚があたしを思い切り後押ししていたのは間違いなかったと思う。