【長編】FOUR SEASONS

包みを破くと中から青い小さな箱が姿を表した。

微笑みながら孝宏が取り出したのは永遠の愛を約束する宝石の輝く指輪だった。

驚きに声も出ない。

「俺からのクリスマスプレゼントだ。受け取ってくれるんだろう?」

そっとあたしの手を取って孝宏が指輪をはめてくれる。

「普通の高校生に買えるような指輪じゃないよ、これって…。」

「俺、普通じゃねぇもん。
普通だったらこの年でプロポーズなんてしないだろうし、こんな無茶な事考えないよ。」

「無茶苦茶よね、本当に。」

こうしている間にも心臓はドキドキして、夢を見ているみたいに身体はふわふわしている。

何だか孝宏の言葉一つ一つが媚薬のようにあたしを酔わせているみたい。