【長編】FOUR SEASONS

「ただ、決して忘れないで欲しいんだ。
君達はまだ若いって事を。これから先いろいろな事があるだろう。
そのときは2人で力をあわせて乗り越える事も大切だが、君達が私たちの子どもであると言う事も忘れないで欲しいんだ。
何かあったら迷わずに相談して欲しい。
いいね? 自分たちがまだ、本当の意味で大人ではないという自覚を持って欲しいんだ。
それこそが大人への第一歩なんだよ。わかるね?」

パパの言葉が胸に痛い。

私たちを心から心配して、心から祝福してくれている事が伝わってきて…

涙が溢れて止まらなかった。

「幸せになる努力と互いを思いやる心を決して忘れないで幸せにおなり。」

「パパ…ありがとう。」

涙が止まらないあたしを孝宏がそっと抱き寄せて涙を拭いてくれた。

背中を擦りながら心が静まるのを待ってくれている。

あたしはこんなに沢山の愛情に囲まれて

なんて幸せなんだろう