そう言えば胸の上に何か乗っかってるような気がする。

重…。

何だろうこれ。

心地良いまどろみの中から渋々意識を現実へと引き戻し、ゆっくりと目を開ける。

カーテンの隙間から差し込む日差しが部屋を明るく照らし出している。視界に入ってくる部屋に違和感を感じ周囲をゆっくりと見回してみる。


あれ…？


ココ…あたしの部屋じゃない…。


不審に思いながら身体を起こそうとして、初めて自分を抱きしめている腕に気がつく。



ほぇ？

腕…？

何これ。

誰の腕よ？


ようやくあたしを背中から抱きしめるようにして、寝息を立てている存在に気が付いて、恐る恐る背後を振り返る。


｢………孝宏？」