【長編】FOUR SEASONS

お願いだ。振り返って…

その笑顔を見せて…

俺の腕の中で俺のためだけに笑って…



ああ…そうだ



俺は彼女が好きだったんだ


誰よりも愛していた



記憶の中の小さな女の子が振り返る。

そこだけ時の流れが違うように―…

ゆっくり成長しながらと俺のほうへ振り返る。



何故…彼女を忘れていたんだろう



優しく咲き誇る華のような―…

たおやかで美しい少女が俺を見つめて微笑んだ。