銀色の冷たい光を振りかざす


真っ直ぐにあたしの胸に向かって突き進んでくる鋭利な切っ先


突然グイッと強く引き寄せられ―…

温かいものに包まれた。

それが孝宏の腕の中だと理解するのと

鈍い衝撃が伝わるのとが同時だった。


「…っく…」

苦しげな孝宏の声に、瞬時に自分が庇われた事を悟った。

全身から血の気が引いていき、身体が恐怖で凍りついた。

孝宏の背中を生温かい液体がねっとりと纏わり付き流れていく。


これは…きっと夢だ。


絶対に悪い夢だ。