その時―…


「優華、あんたがいるからいけないのよ」

突然背後から呼ばれた名前に驚いて振り返る。

「あんたなんか死んでしまえばいいのに」

ヒステリックな、まるで悲鳴のような叫び声。

そこには瞳に涙を溜め、髪を振り乱した佐知子先輩が立っていた。

その手に持っているものに視線が釘付けになる…。

突然の事に体が硬直して

佐知子先輩が駆け寄ってくるのを

スローモーションのように見ていることしかできなかった。