【長編】FOUR SEASONS

孝宏を仰ぎ見ると彼は冷たい視線で男子生徒たちを見ていた。

あたしに『待っているように』と目で語ると、セルデュ先生の抑えている生徒の胸倉を掴み、低い声で脅すように一言だけ言った。

「去れ。
二度と俺たちに手を出すな。
もし今度同じ事があったら二度と立ち上がれないようにしてやる。
いいな。」

ヨロヨロとふらつきながら、仲間に支えられて逃げていくN高の学生たちの背中に、トドメとばかりに冷酷に言葉を吐き捨てる孝宏。

「俺が誰だか解っているな。次は無いぞ。」

慌しく仲間を連れて引き上げる学生達がいなくなるのを確認すると、孝宏とセルデュ先生がフッと、瞳を交わして微笑んだ。

二人の間に確かな信頼関係があることを感じて嬉しくなった。